2019/2/4

表現することは素晴らしいことだと最近思うようになった。

ある映画の撮影に参加しているとき、スタッフのNさんは「H監督は、誰でも映画がつくれることをこの映画で証明しようとしている」と言っていた。そのとき僕にはその価値がまったく理解できなかった。誰もが映画をつくる必要はないし、つくれる必要なはい。才能のある、選ばれた人だけが映画をつくればいいのではないか、と。

しかし、今だったらその価値がよくわかる。表現することは、その人自身が生きることを強く励ます。それだけで、とても価値があることだ。別に傑作をつくる必要はない。自己満足だとしてもそれでいい。

長編の脚本を書き上げたこと、介護がテーマの市民ミュージカルを見たこと。これらの経験が、数年前の問いに解答を与えてくれた。そのことを実感できた今、世界の見方が変わっていくような気がする。