2019/1/7

上野千鶴子小倉千加子「ザ・フェミニズム」を読み進める。結婚制度についての指摘を下記に引用する。

最近、私は結婚というものをこう定義してるんです。「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって特定の異性に対して排他的に譲渡する契約のこと」っていうんです。すごいでしょう。

こんなにおぞましい契約をキミたちやってるんだよ、と言うと、「ルール違反もやってますよ」と言う人もいるけど、ルール違反はルールがあるからで、最初からそんな契約しなきゃいいじゃない、と思うんだけど。(上野)

 

シネマヴェーラサミュエル・フラー『拾った女 Pickup on South Street』。非常に面白かった。ハイライトは女が冷徹な暴力を振るわれるシークエンスだろう。ほんとうにぶん殴られ、家具に激突し、電気スタンドが倒れる。すごいなあ。地下鉄駅内での大暴れもすごい。一体どうやって撮っているのだろう。かなりリスクのある撮影だ。フラーの自伝が出ているので近いうちに読んでみようと思う。
もうひとつのハイライトはスリ男と女のキスまでの触れ合いタイムだ。川の上に建つスリ男の家で、フィルムを探していた女。男にぶん殴られて、気絶し、意識を取り戻したあと、スリ男と長々と顔をくっつける。凄まじくエッチなサスペンスだった。この緊張状態はキスをすることで解消される。女の地下鉄内での白い衣装、男たちがターザンのツタ渡り(ワンカットで!)や手動エレベーターでの脱出を見せてくれるのも忘れがたいと思った。

つづいて、ジョセフ・H・ルイス『拳銃魔 Gun Crazy』。雨の中のショーウインドウ越しショット。動物のように撮影された少年時代の主人公。車で逃走中の男女を後部座席から撮った長回し。主人公たちがやたら物を落としたり、ずっこけていた。